2026年9月5日
労務・人事ニュース
2026年8月、ゲーム・アニメなど5分野で海外売上20兆円戦略を策定
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最終更新: 2026年9月11日 15:27
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「エンタメ・クリエイティブ産業戦略2026」を取りまとめました(経産省)
2026年8月20日、日本発のエンタメ・クリエイティブ産業を成長させるための新たな戦略が取りまとめられました。2033年までに日本発コンテンツの海外売上高を20兆円へ拡大する政府目標の実現に向け、今後5年間の方向性を示す内容です。
今回の戦略は、2025年度に行われた産業政策に関する議論を踏まえて策定されました。議論には各分野のトップ層90者以上に加え、スタートアップやクリエイターなど100者以上が参加し、政策立案や実施に向けた目標と具体策が整理されています。
さらに、50名を超える研究会委員や関係する行政機関からメッセージや写真が寄せられ、官民で目標と戦略を共有する構成となりました。2026年7月に決定された成長戦略の17分野のうち、コンテンツ分野を具体的に進める柱として位置付けられています。
対象となるエンタメ・コンテンツ分野は、ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、実写の5分野です。国内で作品を創り、それを世界へ届け、作品やキャラクターなどの知的財産を多角的に展開することで、利益を最大化してクリエイターへの還元につなげる方針です。
知的財産の多角展開では、マンガからアニメ、ゲーム、実写、音楽、グッズなどへ広げ、1つの作品や世界観を複数の事業領域で活用する考え方が示されました。単体作品の売上だけではなく、関連市場まで含めて価値を高めることが狙いです。
一方、産業成長を妨げる課題として、作品製作への投資不足が挙げられています。映像分野では、年間6,000億円を財政支援する米国と比べ、日本の作品規模は1割程度にとどまるとされ、高い不確実性などによる過小投資を是正する必要があります。
海外巨大プラットフォームへの依存も課題です。映像や出版では海外売上の回収率が1割から2割程度にとどまるとされ、作品が海外で売れても、国内の制作側へ十分な利益が戻りにくい構造が問題として示されています。
さらに、権利侵害による海賊版被害は年間10兆円に上るとされました。作品を国内外へ広げるだけでなく、著作物や知的財産を守り、正当な収益を確保する対策も成長戦略の重要な要素に位置付けられています。
こうした課題に対応するため、クリエイターの育成と確保、融資を活用した資金調達、AI活用と権利保護の両立、成果に応じた適正な報酬の獲得、戦略的な知的財産活用という5つの構造改革を進める方針が示されました。
人材面では、作品を生み出すクリエイターを継続的に育成し、産業内に確保することが重要視されています。採用や人材育成を担う企業にとっても、成長産業の基盤を支える専門人材をどのように確保するかが大きな論点になります。
資金面では、融資を活用して作品製作や事業拡大に必要な資金を確保する仕組みを整えます。作品ごとの不確実性が高い業界であっても、民間資金を呼び込み、成長投資へつなげるための環境整備を進める考えです。
AIについては、制作や業務の効率化などで活用を進めながら、権利保護との両立を目指します。技術利用そのものを進めるだけではなく、クリエイターの権利や成果への適正な対価を確保することも同時に重視されています。
また、成果に応じた報酬獲得を進めることで、作品の成功によって生まれた利益が制作者へ適切に戻る仕組みを整えます。海外展開や複数分野への知的財産活用で利益が拡大した場合、その成果を人材へ還元する考え方が明確に示されました。
こうした構造改革と並行して、人材育成、作品製作、流通網拡大、海外展開、海賊版対策などへの大規模で長期的な投資を後押しします。民間側に対しては「売上3倍・投資3倍」を促し、産業全体の成長を加速する方針です。
政策については効果検証を続け、成果が乏しい施策は縮小や廃止も含めて見直します。一方で、海賊版対策、知的財産のライセンス取引支援、融資基盤などについては、官民が協調して利用できるサービスやインセンティブを整備します。
クリエイティブ分野では、アート、デザイン、ファッション、伝統的工芸品、観戦型スポーツなども対象となっています。長期的なデフレからインフレへの転換や、訪日需要の拡大といった経済環境の変化を成長機会として捉える方針です。
特に海外富裕層を対象に、商品や作品そのものだけでなく、背景にある歴史や文化、技術などの価値を物語として伝えることが重視されます。価格競争に巻き込まれる立場から、高い付加価値を基に自ら価格を設定できる産業への転換を促します。
目指すのは、従来よりも1桁上の価格帯を設定できる「プライスメイカー」への変革です。単純な安さではなく、文化的価値や独自性、技術力を組み合わせて海外需要を取り込み、収益性の高い市場形成につなげる考えが示されています。
今後は関係する行政機関や産業界などと連携しながら、戦略に基づく政策の立案と実施を進めます。さらに効果検証を継続し、その結果を随時改善へ反映することで、2033年の海外売上高20兆円という目標達成を目指します。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ


