2026年9月3日
労務・人事ニュース
熊本地震で雇用助成を特例、2026年7月28日から全国の事業所が対象
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最終更新: 2026年9月11日 15:27
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最終更新: 2026年9月11日 08:06
令和8年熊本地震に伴う雇用調整助成金の特例を実施します(厚労省)
2026年7月28日に発生した熊本地震を受け、地震に伴う経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主を対象に、雇用調整助成金の特例措置が実施されます。全国の事業所が対象となる措置に加え、熊本県内では追加の特例も設けられます。
雇用調整助成金は、経済上の理由によって事業活動を縮小せざるを得なくなった事業主が、一時的な休業や教育訓練、出向を行って労働者の雇用を維持した場合に、休業手当や賃金などの一部を助成する制度となっています。
今回の特例では、熊本地震に伴う経済上の理由によって休業や教育訓練、出向を行う事業主のうち、休業などの初日が2026年7月28日から2027年1月27日までに該当する場合が対象となります。
通常、施設や設備が直接損壊したことによる事業活動の休止や縮小だけでは、雇用調整助成金の対象にはなりません。ただし今回の特例では、直接被害を受けた場合でも、地震に伴う経済上の理由があれば助成対象として取り扱われます。
経済上の理由には、需要減少や風評被害によって販売や集客が難しくなった場合、取引先の被災で原材料や商品の取引が困難になった場合などが含まれます。被災地から離れた事業所でも、こうした影響を受ければ対象となる可能性があります。
交通の途絶によって製品や原材料を運べない場合や、従業員の通勤が難しくなり、生産・販売環境が悪化したケースも経済上の理由に含まれます。電気、水道、ガス、通信などの供給が途絶したり、利用が困難になったりした場合も対象です。
さらに、損壊した施設や設備を修理する業者の手配、修理部品の調達などに災害の影響で時間がかかる場合についても対象となります。施設そのものが地震で被害を受けていても、こうした事情を伴えば経済上の理由があるものとして扱われます。
全国の事業所に適用される特例の大きな変更点が、生産指標を確認する期間の短縮です。通常は販売量や売上高などについて最近3か月間の月平均値を前年同期と比較しますが、今回の特例では比較期間が最近1か月に短縮されます。
通常の制度では、最近3か月間の生産指標の月平均値が前年同期と比べて10%以上減少していることが要件です。今回の措置では比較期間を1か月とすることで、地震の影響が短期間で表れた事業所にも特例を適用できる仕組みとなります。
雇用量に関する要件も緩和されます。通常は労働者と受け入れている派遣労働者の合計人数について、最近3か月の平均が前年同期比で一定以上増えている場合、雇用調整助成金の対象から外れる仕組みがあります。
具体的には、通常は前年同期比で5%超かつ6人以上、中小企業の場合は10%超かつ4人以上増加していると対象になりません。今回の特例では、この要件を撤廃し、最近3か月の雇用量が前年より増加している事業所も助成対象とします。
事業所を設置してからの期間についても特例が設けられます。通常は雇用保険の適用事業所を設置してから1年未満の事業主は対象外ですが、2026年7月28日時点で設置後1年未満だった事業主も助成を受けられるようになります。
設置後1年未満の事業所では、生産指標を比較する方法も変更されます。地震発生日前のいずれか1か月のうち、雇用保険の適用事業所を設置した後で、実際に労働者を雇用していた期間の数値と比較する仕組みです。
手続きについては、計画届の事後提出が認められます。通常は助成対象となる休業などを始める前に計画届を提出する必要がありますが、今回の特例では事後の提出も可能となり、災害発生後の対応を踏まえた取り扱いとなっています。
熊本県内に所在する事業所には、全国共通の措置に加えて2つの特例が追加されます。その1つが残業相殺の撤廃で、休業などを実施する一方で所定外労働を行わせた場合に適用される通常の調整ルールが取り除かれます。
通常は、助成対象となる休業などの延べ日数から所定外労働時間に相当する分を控除します。熊本県内の対象事業所については今回、この取り扱いを撤廃するため、残業が発生した場合に適用されていた相殺ルールがなくなります。
もう1つは、教育訓練の実施状況による助成率引き下げルールの撤廃です。通常は支給日数が30日を経過した日以降、教育訓練の実施率が10%未満の場合に助成率を引き下げますが、熊本県内ではこの取り扱いを適用しません。
特例の対象となるのは、2026年7月28日から2027年1月27日までの間に開始した休業、教育訓練または出向です。特例による休業などは1年の期間内に実施したものが助成対象となり、1年間で100日の上限に達した場合は上限日数までとなります。
また、制度を利用するには雇用保険の適用事業所であることなど、特例とは別に満たす必要がある要件もあります。申請した事業主は、提出または提示した書類の写しなど所定の書類を、支給決定日の翌日から5年間保存する必要があります。
今回の特例は熊本県内だけに限定されたものではなく、地震に伴う経済上の理由で事業活動を縮小する全国の事業所が対象です。そのうえで熊本県内については、残業相殺と教育訓練に関する2つのルールを撤廃する追加措置が講じられます。
地震による直接的な施設被害だけでなく、取引先の被災や物流の途絶、ライフライン・通信の支障、需要減少、修理部品の調達遅延なども対象となり得ます。雇用を維持しながら事業活動の回復を目指す事業主にとって、対象条件を確認することが重要となります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


