2026年9月2日
労務・人事ニュース
被災後の生活再建を支援、最大350万円の貸付や500万円以下の弔慰金
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最終更新: 2026年9月11日 16:29
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被災したときの生計の維持(政府広報オンライン)
災害によって住宅や家財が被害を受けたり、けがによって働くことが難しくなったりしても、日々の生活費や住宅ローン、教育費などの負担は続きます。被災後の生活再建を支えるため、生活費の貸付から税・社会保険料の軽減、教育費、保険、住宅ローンまで幅広い支援制度が設けられています。
生活再建に必要な資金を確保する制度の1つが災害援護資金です。災害によって世帯主が負傷した場合や、住宅・家財に一定以上の損害を受けた世帯を対象としており、被害の程度などに応じて150万円から350万円まで借りることができます。
利用には所得制限があり、前年の総所得金額は1人世帯で220万円以下、2人世帯で430万円以下、3人世帯で620万円以下、4人世帯では730万円以下が基準です。5人以上の場合は、1人増えるごとに30万円が加算されます。住宅が滅失した場合には1,270万円まで基準が緩和されます。
対象となる被害には、世帯主が災害で負傷して療養期間がおおむね1か月以上となるケースや、家財の3分の1以上を失った場合、住宅の半壊、全壊、流出などがあります。対象となる災害にも条件があるため、実際に利用できるかどうかは居住する市町村への確認が必要です。
金融機関からの借り入れが難しい低所得世帯や、障害者、高齢者がいる世帯には、別の貸付制度も用意されています。緊急かつ一時的に生活の維持が難しくなった場合は10万円を限度とする緊急小口資金、災害による臨時の支出には150万円を限度とする災害援護のための資金を利用できる場合があります。
大規模災害では対象者や返済期間が拡大されることもあります。一方、別の災害援護資金の対象となる世帯は利用できない場合があるため注意が必要です。母子家庭や父子家庭、寡婦を対象とした貸付についても、被災した場合には返済を猶予するなどの特別措置が講じられます。
災害で重い障害が残った場合には、生活を支える見舞金の制度があります。生計を維持していた人が重度の障害を負った場合は市町村の条例で定める250万円以下、それ以外の人については125万円以下が支給額となります。
災害によって家族が亡くなった場合には、一定の条件を満たす遺族に弔慰金が支給されます。生計維持者が死亡した場合は市町村条例で定める500万円以下、それ以外の場合は250万円以下です。配偶者や子、父母、孫、祖父母などが対象となり、条件によっては兄弟姉妹も含まれます。
被災後は税負担を軽減できる可能性もあります。住宅や家財などに損害を受けた場合、確定申告によって所得税の全部または一部が軽減される制度があるほか、申告期限の延長や納税猶予、予定納税の減額、源泉所得税の徴収猶予なども設けられています。
地方税についても、一定の要件を満たせば個人住民税や固定資産税、自動車税などが減免される場合があります。徴収の猶予や申告・納付期限の延長もあるため、被害を受けた場合は自治体の税務担当窓口などで対象になる制度を確認することが重要になります。
国民年金にも被災者向けの措置があります。住宅や家財などの財産について、被害額がおおむね価格の2分の1以上となった場合、保険料の納付が困難であれば免除を受けられる可能性があります。被災による収入減少とともに固定的な支出が重くなった場合に確認したい制度です。
子どもの教育を継続するための経済的支援も設けられています。災害によって経済的に就学が難しくなった小・中学生の保護者は、学用品費、新入学学用品費、修学旅行費、学校給食費などについて援助を受けられる場合があります。
高校では、災害による経済的な事情から授業料や入学料などを納めることが難しくなった場合、徴収の猶予や減免、免除の対象となる可能性があります。大学、短期大学、大学院、高等専門学校についても、家計の急変などを理由として授業料などが減免される制度がありますが、具体的な基準や金額は学校ごとに異なります。
大学などで学ぶ学生・生徒については、災害による家計急変を対象とした貸与型奨学金の緊急採用もあります。また、通学のために住んでいる住宅が半壊以上などの被害を受けた学生・生徒には、10万円の支援金が支給される制度も設けられています。
奨学金をすでに返還している人が被災した場合についても、返還猶予や返還額を減らす仕組みがあります。教育費は被災後も継続的に発生するため、家計が急変した際には在籍する学校の担当窓口などへ早めに相談することが大切です。
住宅や家財、自動車への被害については、加入している損害保険も生活再建の重要な手段となります。火災保険では契約内容に応じ、火災だけでなく台風、大雨、大雪、落雷などによる建物や家財への損害が補償される場合があります。
一方、地震、噴火、津波を原因とする火災や住宅の損壊、埋没、流失などは地震保険による補償の対象です。地震保険は火災保険と組み合わせて契約する仕組みとなっており、単独では加入できません。実際に受け取れる保険金は契約内容と損害状況によって変わります。
自動車の車両保険については、一般的に台風や大雨などによる損害が補償される一方、地震、津波、噴火による被害は対象外となります。被災によって保険証券などを失った場合でも、災害救助法が適用された地域では契約を確認するための照会制度が利用できます。
さらに、自然災害で住宅ローンやリフォームローン、事業者向けローンなどの返済が困難になった場合、一定の仕組みに基づいて債務の免除や減額を申し出る方法があります。住宅を失った後もローンだけが残ると、生活再建の大きな負担になりかねません。
この仕組みを利用した債務整理では、個人信用情報として登録されないため、新たな借り入れへの影響を避けられることが特徴です。また、弁護士などの専門家による手続きの支援を無料で受けられ、一定の財産を手元に残せる場合もあります。利用を希望するときは、ローンを借りている金融機関への相談が必要となります。
被災後に必要となる支援は、住宅の被害状況や家族構成、所得、けがの程度、加入している保険、子どもの就学状況などによって異なります。貸付だけでなく、見舞金や税負担の軽減、教育費支援、保険金、ローン負担の軽減まで確認し、自分の状況に合った制度を利用することが生活再建につながります。
⇒ 詳しくは政府広報オンラインのWEBサイトへ


