2026年4月29日
労務・人事ニュース
2026年1月の賃金指数94.2で2.5%増、実質0.7%プラスに転じた背景を分析
毎月勤労統計調査 2026(令和8)年1月分結果確報 賃金指数(厚労省)
厚生労働省が公表した2026年1月分の毎月勤労統計調査の確報によると、賃金の動向を示す現金給与総額の指数は、2020年平均を100とした場合で94.2となり、前年同月比で2.5%上昇した。物価変動の影響を考慮した実質ベースでも0.7%の増加となり、賃上げの動きが実質面でもプラスに転じたことが確認された。
雇用形態別に見ると、一般労働者の現金給与総額指数は92.9で、前年比2.9%増、実質でも1.1%増となった。パートタイム労働者は112.1で2.2%増、実質では0.5%増となっており、いずれの雇用形態でも名目と実質の双方で上昇が見られる。事業所規模30人以上では92.2となり、前年比2.8%増、実質では1.1%増と堅調な伸びを示した。
産業別では、製造業が前年比4.1%増と比較的高い伸びを記録し、卸売業・小売業は1.7%増、医療・福祉は1.1%増となった。業種ごとの差はあるものの、全体としては幅広い分野で賃金の上昇が続いていることが読み取れる。
毎月支給される給与にあたる「きまって支給する給与」の指数は110.1で、前年比2.9%増、実質では1.3%増となった。一般労働者は110.4で3.5%増、実質1.7%増と上昇幅が大きく、安定的な賃上げが進んでいる状況がうかがえる。パートタイム労働者も113.8で2.2%増、実質0.6%増となり、基礎的な賃金の底上げが続いている。
さらに基本給に近い所定内給与の指数は109.9で前年比3.0%増となり、一般労働者は110.1で3.4%増、事業所規模30人以上では113.6で2.4%増となった。製造業は4.2%増、卸売業・小売業は2.9%増、医療・福祉は1.6%増と、それぞれの分野で増加が確認されている。
過去の推移を振り返ると、2025年は現金給与総額指数が111.7で前年比2.3%増だったものの、実質では1.3%の減少となっていた。2024年も同様に名目は増加しながら実質は横ばい圏にとどまる場面が見られたが、2026年1月は実質でプラスに転じた点が特徴となる。
月別の動きを見ると、2025年12月は賞与の影響により198.6と高水準となったが、翌2026年1月は94.2まで低下している。ただし、これは季節的な変動によるものであり、前年同月との比較では上昇傾向が維持されている。賃金の基調を示す所定内給与の伸びが継続していることから、安定的な賃上げの流れが続いているといえる。
今回の結果は、名目賃金だけでなく実質賃金も改善に向かっていることを示しており、賃金の実態を把握する上で重要な指標となる。物価の影響を受けながらも実質でプラスを確保したことは、労働環境の変化を読み解くうえで注目される動きである。今後も産業別や雇用形態別の差異を踏まえた継続的な動向把握が求められる。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


