2026年7月24日
労務・人事ニュース
2026年6月発表 自動運転とAIを活用した車両安全対策で2030年までに交通事故死者1,200人削減を目指す新方針
自動運転・AIなど先進技術で交通事故ゼロへ ~今後の車両安全のあり方のとりまとめ~(国交省)
2026年6月30日、自動運転やAIなどの先進技術を活用した今後の車両安全対策の方向性をまとめた報告書が公表されました。交通事故はこれまで着実に減少してきたものの、近年は減少率が鈍化していることから、さらなる事故削減と社会課題への対応を目指し、新たな車両安全対策を推進していく方針です。
今回の報告書は、「第12次交通安全基本計画」を踏まえ、交通政策審議会の技術安全ワーキンググループで議論を重ねた内容を取りまとめたものです。自動運転やAI、通信技術などの先進技術を積極的に活用しながら、世界一安全な道路交通の実現と、将来的な交通事故のない社会を目指す考えが示されました。
報告書では、高齢者やこども、歩行者や自転車利用者など交通弱者を守るための安全対策を重点的に進める方針が打ち出されています。AIを活用した高度な運転支援機能を備えた車両の性能評価制度を新たに創設し、安全性の高い車両を利用者が選びやすい環境づくりを進めるとしています。また、安全運転サポート車の機能をさらに高度化した「Ver 2.0」の普及を推進し、高齢運転者の事故防止につながる新たな装置の導入も進める方針です。
さらに、自車と道路インフラ、ほかの交通参加者などが通信するV2X技術や、周囲の状況を先読みする運転支援技術の開発促進も盛り込まれました。これらの技術を組み合わせることで、より高度な運転支援を実現し、事故の未然防止につなげることが期待されています。あわせて、自動運転関連技術への社会的理解や受容性を高める取組も進められます。
報告書では、交通事故の現状についても分析しています。2025年の交通事故死者数は2,547人となり、2025年までに2,000人以下とする従来目標には届かなかったことから、2030年までにさらなる安全対策を進める必要性を示しました。また、死亡事故の96%が運転者の違反に起因し、死亡事故の34%は高齢運転者によるものとなっています。死者数の49%は歩行者や自転車利用者などの交通弱者であり、依然としてこどもの痛ましい事故も発生していることから、幅広い視点での対策強化が求められています。
そのほか、大型車や二輪車、小型モビリティの安全対策についても推進する方針です。大型車では交差点での右左折時事故や車輪脱落事故、バス車内事故の防止に向けた技術開発を進めるほか、二輪車向け先進運転支援技術の普及を後押しします。小型モビリティについても、利用実態や最新技術を踏まえた安全基準の整備や制度の強化を進める考えです。
歩行者や自転車利用者を守る対策としては、先読み運転やV2Xを活用した運転支援技術の開発促進、高機能前照灯の性能向上、交通弱者まで検知対象を広げた次世代事故自動緊急通報装置の普及拡大なども盛り込まれました。加えて、こどもの交通事故実態の詳細分析やチャイルドシートの性能向上、適正利用の推進なども重点施策として位置付けられています。
報告書では、2035年頃までに新型車による死亡事故をゼロとすることを長期的な目標として掲げています。また、2030年までには、車両安全対策によって2020年と比較し、30日以内交通事故死者数を1,200人削減するとともに、重傷者数を11,000人削減する目標を維持することが示されました。今後は、自動運転やAIをはじめとする技術革新を車両安全対策へ反映させながら、交通事故のさらなる削減と、安全で安心な道路交通環境の実現に向けた取組が進められます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


