2026年7月28日
労務・人事ニュース
高知県で令和8年5月の有効求人倍率1.15倍、正社員0.91倍から読む人材確保
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最終更新: 2026年7月27日 16:44
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最終更新: 2026年7月27日 16:40
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最終更新: 2026年7月27日 16:44
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最終更新: 2026年7月27日 16:40
高知県の令和8年5月有効求人倍率1.15倍と地域別採用環境の見方
令和8年6月30日、高知労働局は令和8年5月分の高知県の雇用失業情勢を公表しました。令和8年5月の受理地別有効求人倍率は季節調整値で1.15倍となり、前月と同水準でした。全国の有効求人倍率は1.17倍で前月から0.01ポイント低下しており、高知県は全国で25番目の水準となっています。県内の雇用失業情勢については、改善の動きに一部弱さがみられ、引き続き物価上昇等が雇用に与える影響に注意する必要があるとされています。求人が求職を上回る状態は続いていますが、全国平均をやや下回り、求人の増減にもばらつきがあるため、中小企業の採用担当者は「倍率が1倍を超えているから採用が難しい」と単純に見るのではなく、地域、職種、雇用形態ごとに採用環境を読み分ける必要があります。
令和8年5月の有効求人数は季節調整値で14,627人となり、前月より116人、0.8%増加しました。2か月連続の増加です。有効求職者数も12,770人となり、前月より184人、1.5%増加し、こちらも2か月連続で増えました。求人と求職者の双方が増えたものの、増加のバランスにより有効求人倍率は前月と同じ1.15倍にとどまりました。採用担当者が注目すべきなのは、倍率の横ばいだけではありません。求職者が増えている局面でも、応募者が自社の求人に興味を持つとは限らない点です。求職者は、給与、休日、勤務時間、勤務地、通勤のしやすさ、職場環境、教育体制を比較しながら応募先を選びます。求人票に情報が少ない企業は、実際には働きやすい職場であっても、応募前の比較段階で候補から外れてしまう可能性があります。
新規求人倍率は季節調整値で2.04倍となり、前月より0.01ポイント上回りました。2か月連続の増加です。新規求人数は5,323人で前月より21人、0.4%減少し、2か月ぶりの減少となりました。新規求職者数も2,614人で前月より19人、0.7%減少し、3か月ぶりの減少です。新たに出される求人も、新たに仕事を探し始める人も減っていますが、新規求人倍率は2倍を超えています。これは、直近で採用を始める企業にとって、求職者との接点づくりが引き続き重要であることを示します。中小企業では、採用担当者が総務や現場業務を兼ねていることも多く、応募後の初回連絡が遅れやすくなります。しかし、求職者は複数の求人を同時に比較しています。初回連絡、面接日程の提示、選考結果の案内が遅れるほど、候補者が他社へ流れる可能性は高まります。
原数値で見ると、令和8年5月の新規求人数は4,541人となり、前年同月より43人、0.9%減少しました。3か月ぶりの減少です。新規求職者数は2,404人で、前年同月より151人、5.9%減少し、2か月連続の減少となりました。新規求人数の減少幅は小さいものの、新規求職者数の減少幅が大きく、新たに採用市場へ出てくる人材は限られています。採用担当者は、求人を出して待つだけではなく、応募者が「この会社なら働けそうだ」と判断できる情報を整える必要があります。仕事内容を具体的に書き、給与や休日、残業の目安、入社後の研修、職場の雰囲気、選考の流れを明確にすることで、応募前の不安を下げることができます。
産業別の新規求人を見ると、令和8年5月は建設業が436人で前年同月比6.3%増、運輸業・郵便業が281人で47.9%増、サービス業が459人で15.6%増となりました。こうした業種では、採用需要が前年を上回っており、同業他社との人材獲得競争が強まりやすい状況です。一方、卸売業・小売業は763人で11.4%減、生活関連サービス業・娯楽業は140人で29.3%減、公務・その他は67人で40.2%減となりました。医療・福祉は1,312人で1.7%減、製造業は335人で3.1%増、宿泊業・飲食サービス業は272人で0.4%増となっています。全体の新規求人はわずかに減少していますが、業種ごとの動きは一様ではありません。採用担当者は県全体の有効求人倍率だけで判断せず、自社が属する業界や募集職種の動きを確認したうえで、求人内容を組み立てることが大切です。
運輸業・郵便業は前年同月比47.9%増と大きく伸びています。物流や配送関連の採用では、給与だけでなく、配送エリア、勤務時間、必要な免許、車両の種類、積み下ろし作業の有無、安全管理、同乗研修の有無が応募判断に大きく関わります。単に「ドライバー募集」と書くだけでは、求職者は仕事の負担や働き方を判断できません。1日の流れ、走行距離、荷物の重さ、休憩の取り方、未経験者への指導体制を具体的に示すことで、応募者は安心して検討しやすくなります。採用競争が強い職種ほど、仕事の厳しさを隠すのではなく、支援体制や働き続けられる工夫を誠実に伝えることが重要です。
建設業も前年同月比6.3%増となり、人材需要が見られます。建設関連の採用では、経験者や資格保有者だけを待つと応募対象が狭くなりやすいため、未経験者を育成できる業務と、資格者に任せる業務を分けて考える必要があります。現場の場所、集合時間、移動の有無、必要な資格、道具や制服の支給、研修、安全教育、天候による勤務の変動などを具体的に示すと、応募者は働く姿を想像しやすくなります。建設業は有効求人倍率が高くなりやすい分野であり、給与条件だけでは大手企業や近隣企業との差別化が難しい場合もあります。中小企業は、地域密着で働けること、面倒見のよい教育体制、資格取得支援、現場での相談しやすさを伝えることが採用力になります。
医療・福祉は新規求人が1,312人で、主要産業の中で最も大きな求人規模を持っています。前年同月比では1.7%減ですが、県内の採用市場で重要な分野であることに変わりはありません。医療、介護、福祉関連の求人では、資格や経験の有無だけでなく、夜勤の有無、勤務体制、利用者や患者への対応内容、教育担当者、資格取得支援、身体的負担への配慮、職員同士の連携が応募判断に直結します。求人票に「未経験歓迎」や「ブランク可」と書くだけでは十分ではありません。入職後にどの業務から始めるのか、誰に相談できるのか、研修期間はどの程度かを具体的に示すことで、応募者は安心して応募を検討できます。採用難が続きやすい分野ほど、求人情報の誠実さが信頼につながります。
正社員有効求人倍率は原数値で0.91倍となり、前年同月より0.03ポイント上昇し、4か月連続で増加しました。正社員有効求人数は6,956人で前年同月比2.2%増、正社員有効求職者数は7,682人で前年同月比1.1%減です。正社員求人は増え、正社員を含む常用フルタイム求職者は減っていますが、倍率は1倍を下回っています。数字上は正社員希望の求職者の方が求人より多い状態ですが、企業が簡単に採用できるという意味ではありません。求職者は、正社員という雇用形態だけで応募を決めるわけではなく、給与、昇給、賞与、休日、残業、転勤の有無、評価制度、教育体制、職場の人間関係を総合的に見ています。中小企業が正社員を募集する場合は、入社後に任せる仕事、研修の進め方、将来的な役割を具体的に伝える必要があります。
地域別に見ると、安定所別の有効求人倍率は高知所が1.20倍、須崎所が1.06倍、四万十所が0.73倍、安芸所が0.84倍、いの所が0.57倍となりました。高知所は前年同月と同水準で、須崎所、安芸所、いの所は前年同月を上回りましたが、四万十所は下回っています。高知県全体では1.15倍ですが、地域によって求人と求職者のバランスは大きく異なります。倍率が1倍を上回る地域では、企業間の採用競争が強まりやすくなります。一方、1倍を下回る地域でも、職種や勤務条件が合わなければ応募にはつながりません。採用担当者は、勤務地周辺の通勤事情、車通勤の可否、駐車場、通勤手当、勤務開始時間、転勤の有無、家庭との両立のしやすさを求人票に明記することが重要です。
求職者側の動向では、新規常用求職者数が2,381人で前年同月比5.9%減となり、2か月連続で減少しました。在職者は603人で9.0%減、離職者は1,557人で6.5%減、無業者は221人で10.5%増です。離職者のうち、事業主都合離職者は405人で7.5%減、自己都合離職者は1,073人で5.5%減となっています。在職中に転職活動を始める人や自己都合で動く人が減っていることは、経験者採用を考える中小企業にとって重要です。在職者は現在の職場と比較して応募先を選びます。給与だけでなく、残業の少なさ、休日の取りやすさ、通勤しやすさ、仕事の裁量、職場の雰囲気、地域で長く働ける安心感を具体的に示すことが、転職を迷う層への訴求になります。
就職件数は688件で、前年同月比14.5%減となり、8か月連続で減少しました。就職率は28.6%で、前年同月より2.9ポイント低下しています。求人が求職を上回っている一方で就職件数が減っていることは、企業と求職者の条件がうまく合っていない可能性を示します。採用担当者は、応募が少ない理由を求職者数の減少だけに求めるのではなく、求人票の内容、選考スピード、勤務条件、仕事内容の伝え方を点検するべきです。応募後の連絡が遅い、面接日程が少ない、選考結果が曖昧な企業は、候補者から信頼を得にくくなります。求人掲載前に、応募受付後の対応手順を決めておくことが採用成功につながります。
令和8年5月の高知県の雇用情勢から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。有効求人倍率1.15倍は求人が求職を上回る市場を示していますが、全国平均をやや下回り、改善の動きにも一部弱さがあります。一方で、新規求人倍率は2.04倍で、直近の採用競争は続いています。採用担当者は、必須条件と歓迎条件を分け、未経験者を育成できる業務、短時間勤務でも任せられる業務、シニア人材やブランクのある人が活躍できる業務を整理することが大切です。求人票では、仕事内容、給与、休日、残業、教育体制、職場環境、選考の流れを具体的に示し、応募後は迅速に連絡することが採用成功につながります。有効求人倍率の動向からも、採用活動においては求人情報の出し方や応募者との接点づくりがより大切になっています。人材募集を検討されている企業の方は、日本全国どこでも対応できる採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社までお気軽にご相談ください。
⇒ 詳しくは高知労働局のWEBサイトへ


