2026年9月6日
労務・人事ニュース
2026年8月、水資源ガイドライン策定 109水系の渇水流量は平均0.79倍予測
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最終更新: 2026年9月11日 15:27
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「気候変動による水資源への影響評価ガイドライン」 を作成しました ~流域の関係者による水管理の調整に向けて~(国交省)
2026年8月21日、気候変動が水資源に与える影響を全国的な傾向と流域単位で評価するための新たなガイドラインがまとめられました。将来の渇水リスクをデータで把握し、流域の関係者が水利用や適応策を議論するための共通基盤として活用することが想定されています。
気候変動が進むと、雨が降らない日数の増加や降雪・積雪量の減少が予測され、将来の渇水が深刻になることが懸念されています。2025年度には記録的な少雨による渇水も発生しており、水資源を巡る長期的な変化への対応が課題となっています。
こうした状況を踏まえ、流域に関係するさまざまな主体が連携し、水の恵みを最大限に活用する取り組みを進めることが重要とされています。その際、現在と将来の水資源について、客観的なデータを基に共通認識を持つことが合意形成の土台になります。
今回のガイドラインでは、気候変動による水資源への影響について全国的な傾向を整理するとともに、流域ごとに将来変化を評価する方法や、得られた評価結果を水管理の議論へ活用する考え方までまとめられました。
全国的な傾向では、年間の積算降水量そのものの変化は比較的小さい一方、降り方が極端になる可能性が示されています。109水系平均では、将来の年積算降水量は過去と比べ3.14ミリ減少するとの評価結果が示されました。
降水量を強さ別に見ると、1日当たり1ミリ以上50ミリ未満の降水量は109水系平均で52.85ミリ減少する一方、1日50ミリ以上の降水量は49.18ミリ増えると予測されています。雨量全体の変化が小さくても、降水パターンは大きく変わる可能性があります。
さらに、本州以南では年最深積雪深や降雪量が減少し、全国的には蒸発散量が増える見通しです。109水系平均の年蒸発散量は将来44.51ミリ増えるとされ、水資源を考えるうえでは降水量だけでなく、水が失われる側の変化も重要になります。
渇水時の河川流量にも厳しい見通しが示されました。10年に1度程度の渇水時を想定した流量について、109水系のうち71水系で減少、6水系で増加、32水系で変化なしとなり、全国平均では過去の0.79倍になるとの予測です。
渇水については流量の低下だけでなく、期間が長期化したり、複数の地域で同時に発生したりする可能性も示されています。限られた水をどのように配分するかを考えるうえで、単一地点だけではなく流域全体で将来の変化を把握する必要があります。
流域単位の評価では、まず観測された降水量や河川流量などについて、長期的な変化や季節ごとの特徴を定量的に整理します。そのうえで、多数の将来予測データを利用し、将来の気象条件がどの程度変化し得るかを幅を持って把握します。
将来予測では、全国を約5キロメートルの格子で表現したアンサンブルデータを基本的に利用します。過去と将来について複数の条件で計算することで、1つの予測値だけではなく、不確実性を含んだ複数の将来像を確認できるようにしています。
河川流量を評価する際には、低水時の再現性にも注意しながら流出計算モデルを構築します。多数の将来実験を使うことで、平均的な変化だけでなく、各条件で想定される最大値や最小値なども確認し、厳しい渇水の可能性を把握します。
さらに、水運用の計算を行い、現在と将来のダム貯水池の動きを比較します。評価では、ダムの貯水が不足する期間や不足容量、枯渇する頻度、供給できる水量の変化などを確認し、実際の水利用への影響を具体的に整理します。
ガイドラインでは、将来の深刻な渇水をあらかじめ想定したうえで、現在の運用ルールを続けた場合にどのような問題が起きるかを検討する考え方も示されました。水不足が起きる時期や継続期間を事前に把握することが目的です。
例えば、現在の取水制限ルールを維持した場合の将来の取水制限日数や、ダムが枯渇する期間などを確認できます。その結果を踏まえ、取水制限を始める時期や判断基準、制限率の見直しといった適応策を議論することが想定されています。
評価結果については、流域に関係する主体の間で共有することが重要とされています。将来の渇水リスクを共通のデータで確認したうえで、それぞれの地域事情に応じて課題を整理し、水利用の調整や適応策について議論を深める考え方です。
今回示された活用方法は一例とされ、すべての流域で同じ対応を取ることを求めるものではありません。水資源の状況や利用実態は地域によって異なるため、それぞれの流域に応じて幅広い議論を進めることが望ましいとされています。
ガイドラインは、全国的な水資源への影響、流域単位での評価手法、評価結果の活用方法という流れで構成されています。将来の水不足を単に予測するだけでなく、その結果を関係者間の合意形成や具体的な水管理へつなげることを重視した内容です。
気候変動によって年間降水量の総量が大きく変わらなくても、雨の降り方や積雪、蒸発散、河川流量は変化する可能性があります。109水系平均で渇水流量が0.79倍になるとの予測は、水資源管理を将来の気候条件に合わせて検討する必要性を示しています。
2026年8月にまとめられた今回のガイドラインは、将来の渇水を見据えた流域単位の水管理を進めるための評価基盤となります。データに基づいて現状と将来を共有し、取水やダム運用などの調整策を検討することが今後の重要な取り組みとなります。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


