2026年9月20日
労務・人事ニュース
2026年秋の北関東求人は前年同月比横ばい見通し、宿泊売上2倍の需要増でも専門人材不足が採用課題に
景気ウォッチャー調査(令和8年8月調査)― 北関東(先行き)―(内閣府)
2026年8月の北関東では、今後2~3か月の景気について、秋の観光需要や半導体関連の増産を期待する声がある一方、物価高や人件費上昇を背景に、採用市場は大きく伸びにくいとの見方も示されています。
雇用面では、新規求人数について前年同月とほぼ横ばいで推移するとの見通しが示されました。今回の資料には有効求人倍率の具体的な数値はなく、求人全体が大きく拡大する状況までは確認されていません。
人材派遣の現場では、職種による求人と求職の偏りが続く見込みです。事務職を希望する求職者は多い一方、専門性が必要となる職種では人材不足が解消されず、企業側の採用ニーズとのずれが残っています。
そのため、求人数が横ばいであっても、企業が必要な人材を容易に採用できるとは限りません。採用担当者には求人件数だけでなく、募集職種と求職者の希望条件が合っているかを確認することが重要となります。
一方、人材派遣分野では自動車関連を中心に今後の動きを期待する声があります。買い替えに伴うスマートフォンの下取り検品業務も増える見込みで、特定業務では人員需要が強まる可能性が示されています。
工場関連についても、今後やや活発になるとの見方があります。半導体製造関連のロボットや自動車向けの仕事では増産計画があり、販売や生産の増加につながることが期待されています。
ただし、製造業全体が積極的な設備投資へ動いているわけではありません。ある事例では、取引先が上場企業10社、中堅企業20社、零細企業20社などで構成されるなか、設備投資は総じて様子見とされています。
企業側の採用判断には、最低賃金の引き上げも影響します。これまで最低賃金の水準に抵触していなかった企業でも、新たに賃金調整が必要になる可能性があり、人件費負担への影響が大きくなるとの見方があります。
給食や外食関連では、人員確保が十分に進まない一方、働き方改革や社会保険加入への対応を踏まえた人員配置が求められています。最低賃金の上昇も重なり、収支を維持しながら必要な人材を確保することが課題です。
観光関連では秋の行楽シーズンへの期待が強く、宿泊分野で明るい動きも確認されています。ある都市型ホテルでは宿泊売上が前年の2倍となり、今後についても同程度の予約が入っているとされています。
別のホテルでも宿泊、飲食、宴会が前年の107%程度で推移しており、スポーツイベントや会議関連需要によって人流の回復を感じるとの回答があります。サービス需要が続けば人材需要を支える材料となります。
旅行関連も2~3か月先に繁忙期を迎えることで、販売量の増加が見込まれています。秋のイベントや紅葉シーズンなどが地域経済を支える一方、台風や豪雨など自然災害への警戒も残っています。
観光地では9月以降も訪日客が前年より増える可能性があるとの見方があり、宿泊や土産物など関連する業種への波及が期待されています。ただし、物価高による買い控えが発生する可能性も指摘されました。
消費面では、物価高による節約志向が今後も続くとの回答が目立ちます。米価格は下がっているものの、その他の商品価格は高い状態が続き、消費者がチラシなどで価格を比較しながら購入する状況です。
百貨店でも富裕層の売上は堅調とされる一方、中間層の売上は前年を下回る状態が続いています。高額品や衣料品への需要拡大は限定的とみられ、個人消費の力強い回復までは見込みにくい状況です。
住宅関連では建築コストが高止まりし、見積もり提出までは進んでも受注につながりにくいケースがあります。材料費上昇も続いており、建設や住宅関連企業では採用拡大に慎重になる要因となっています。
自動車関連では、部品供給の遅れによって一部車両や部品の納期が長期化し、販売実績への影響を懸念する回答があります。その一方、半導体製造関連や自動車向けでは増産計画もあり、企業ごとの差が目立ちます。
北関東の今後の求人市場は、全体として新規求人数が前年同月並みで推移する見通しです。その中で、専門職の人材不足や製造関連の増産計画などにより、職種ごとの採用難易度には差が残るとみられています。
企業の採用担当者にとっては、求人総数だけを見るのではなく、専門人材の不足や人件費上昇、製造業の増産、観光需要などを個別に確認する必要があります。採用環境は業種ごとに異なる方向へ動いています。
2026年秋の北関東では、新規求人数が大きく増える見通しはない一方、半導体、自動車、観光などでは需要増を期待する声があります。採用市場は横ばいを基本としながら、分野ごとの濃淡が続く見通しです。
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