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2026年7月26日

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山梨県の令和8年5月有効求人倍率1.37倍、29人以下求人3,486人から見る中小企業採用

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山梨県の令和8年5月有効求人倍率1.37倍と新規求職者9.3%減の影響

令和8年6月30日、山梨労働局は令和8年5月分の「山梨県の労働市場の動き」を公表しました。県内の有効求人倍率は季節調整値で1.37倍となり、前月と同水準でした。全国の有効求人倍率は1.17倍で前月から低下しており、山梨県は全国平均を0.20ポイント上回る状態が続いています。令和7年5月の県内有効求人倍率は1.31倍であったため、前年同月と比べると0.06ポイント高い水準です。求人倍率は求職者1人に対してどれだけ求人があるかを示す指標であり、1.37倍という数字は、県内で求人が求職を上回る状況が続いていることを意味します。ただし、求人が多いから採用が難しい、あるいは倍率が横ばいだから市場が安定していると単純に判断するのは危険です。中小企業の採用担当者は、倍率の背景にある求人、求職、産業別の変化を読み取り、自社の募集条件や応募者対応を見直す必要があります。

令和8年5月の月間有効求人数は季節調整値で16,778人となり、前月から37人、0.2%増加しました。月間有効求職者数も12,252人となり、前月から44人、0.4%増加しています。求人も求職者も前月より増えたものの、双方の増加幅が小さかったため、有効求人倍率は1.37倍で横ばいとなりました。原数値では、月間有効求人数は16,825人で前年同月比1.2%減少し、月間有効求職者数は12,665人で前年同月比5.4%減少しています。つまり、前年と比べると求人も求職者も減っていますが、求職者の減少幅が大きいため、求人倍率は前年より高くなっています。採用担当者にとって重要なのは、求人倍率が高い理由を「求人が増えているから」とだけ見ないことです。求職者数の減少によって倍率が高止まりしている面があるため、求人を出せば自然に応募が増える市場ではありません。

新規求人倍率は季節調整値で2.35倍となり、前月から0.20ポイント上昇しました。新規求人数は季節調整値で6,217人となり、前月比12.0%増加しています。一方、新規求職申込件数は2,646件で前月比2.7%増にとどまりました。新たに出された求人の増加が、新たに仕事を探し始めた人の増加を大きく上回ったため、新規求人倍率が上昇した形です。直近で採用を始める企業にとって、新規求人倍率2.35倍は重い数字です。応募者は複数の求人を比較しながら動くため、求人掲載後の初回連絡が遅い企業、面接日程の提示が限られる企業、仕事内容の説明が曖昧な企業は、候補者を逃しやすくなります。採用担当者が他業務を兼ねる中小企業ほど、応募後の対応手順をあらかじめ決めておくことが大切です。

原数値で見ると、令和8年5月の新規求人数は5,779人で、前年同月比5.6%減少しました。新規求職申込件数も2,484件で、前年同月比9.3%減少しています。求人も求職者も前年より減っていますが、特に新規求職者の減少が目立ちます。これは、転職や再就職に新しく動き出す人が限られていることを示しています。中小企業が採用活動を進める際には、求人媒体に掲載して待つだけではなく、採用ページや自社サイト、地域のネットワークを通じて、まだ本格的に転職活動を始めていない層にも情報を届ける必要があります。在職中の人や家庭との両立を考える人、短時間勤務を希望する人、シニア層など、求職者の状況に合わせて働き方を提示できる企業ほど、採用の可能性を広げられます。

産業別の新規求人を見ると、令和8年5月は製造業が1,050人で前年同月比19.3%増加しました。山梨県の主要産業である製造業では、食料品製造業が12.4%増、金属製品製造業が47.6%増、はん用機械器具製造業が96.6%増、業務用機械器具製造業が148.6%増、電子部品・デバイス・電子回路製造業が138.9%増、電気機械器具製造業が4.9%増、輸送用機械器具製造業が25.9%増となりました。一方、生産用機械器具製造業は3.4%減となっています。製造業全体では求人が増えていますが、業種ごとに強弱があるため、採用担当者は自社の分野に近い求人動向を確認する必要があります。製造職を募集する場合、「工場作業」「製造スタッフ」といった表現だけでは仕事内容が伝わりにくく、応募前の不安を招きます。扱う製品、担当工程、機械操作の有無、必要な資格、研修の流れ、安全対策、交替勤務や残業の実態を具体的に示すことが重要です。

運輸業、郵便業は584人で前年同月比61.8%増、サービス業は1,045人で9.4%増となりました。物流やサービス分野では人材需要が強まっているため、ドライバー、倉庫関連、配送補助、接客、施設運営、事業支援などの職種で採用競争が起こりやすくなります。運輸業では、勤務時間、配送エリア、荷物の種類、積み下ろし作業の有無、必要な免許、未経験者への教育、安全管理、休日の取り方を明確にすることが応募につながります。サービス業では、勤務シフト、顧客対応の範囲、繁忙期、研修制度、職場の人数体制などを伝えることで、求職者は働く姿を想像しやすくなります。採用条件を広く見せようとして内容をぼかすより、実態に近い情報を丁寧に書く方が、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。

一方、建設業は410人で前年同月比1.9%減、卸売業、小売業は512人で19.9%減、学術研究、専門・技術サービス業は72人で30.8%減、宿泊業、飲食サービス業は272人で46.6%減、教育、学習支援業は92人で33.8%減、医療、福祉は1,156人で14.2%減となりました。宿泊業、飲食サービス業の減少幅は大きく、観光や外食関連の採用計画に慎重さが出ている可能性があります。ただし、求人が減っている業界でも人手不足が解消したとは限りません。宿泊や飲食では、土日勤務、繁忙期、シフト、接客範囲への不安が応募判断に影響します。医療、福祉では、夜勤の有無、勤務体制、利用者や患者への対応内容、教育担当者、資格取得支援、身体的負担への配慮が重要です。中小企業は、求職者が不安に感じやすい点を先回りして説明することで、応募のハードルを下げられます。

正社員有効求人倍率は1.06倍となり、前年同月より0.03ポイント上昇しました。正社員求人は求職者をやや上回る状態にありますが、正社員という雇用形態だけで応募者を引きつけることは難しくなっています。求職者は、月給や賞与だけでなく、昇給の見通し、残業時間、休日、転勤の有無、職場の人間関係、評価制度、教育体制を見ています。特に中小企業では、入社後にどの仕事から始めるのか、誰が教えるのか、どの程度で独り立ちするのか、将来的にどのような役割を期待しているのかを具体的に示すことが信頼につながります。正社員募集であっても、必須条件を厳しくしすぎると応募の入口を狭めます。経験者だけを待つのではなく、育成前提で採用できる業務を整理することが現実的です。

求職者側の動向では、新規求職者は2,484人で前年同月比9.3%減少しました。そのうちパートタイムは1,147人で3.9%減少しています。離職者のうち事業主都合離職者は289人で15.0%減、自己都合離職者は1,051人で1.2%増となりました。自己都合で動く人がわずかに増えている点は、採用担当者にとって見逃せません。自己都合の転職希望者は、今の職場と比較しながら応募先を選ぶ傾向があります。給与の高さだけでなく、職場の雰囲気、通勤しやすさ、休みの取りやすさ、仕事の裁量、将来の安定性を総合的に判断します。求人票では会社が求める条件ばかりを並べるのではなく、応募者がその会社で働く理由を見つけられる情報を整えることが大切です。

事業所規模別では、令和8年5月の新規求人のうち29人以下が3,486人で60.3%、30人から99人が1,496人で25.9%、100人から299人が468人で8.1%、300人から499人が230人で4.0%、500人から999人が19人で0.3%、1,000人以上が80人で1.4%となっています。29人以下の小規模事業所が新規求人の大きな割合を占めていますが、前年同月比では5.4%減少しています。中小企業は知名度や条件面で大企業と同じ競争をするのではなく、地域密着、転勤の少なさ、経営者との距離の近さ、幅広い仕事を経験できること、柔軟に相談しやすい環境を具体的に伝えるべきです。こうした魅力は、求人票に書かなければ求職者には伝わりません。

令和8年5月の山梨県の労働市場から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。有効求人倍率1.37倍は、県内で求人が求職を上回る状態を示しています。一方で、新規求人数は前年同月比5.6%減、新規求職者は9.3%減となっており、採用市場に新しく動き出す人材は限られています。採用担当者は、まず自社が本当に必要とする人材像を整理し、必須条件と歓迎条件を分ける必要があります。未経験者を育てられる業務、短時間勤務でも任せられる業務、シニア人材が力を発揮できる業務を切り分ければ、応募対象は広がります。求人票では、仕事内容、給与、休日、残業、教育体制、職場環境、選考の流れを具体的に示し、応募後は迅速に連絡することが採用成功につながります。有効求人倍率の推移は、地域の雇用環境や企業の採用活動を考えるうえで重要な指標です。求人募集を検討している企業の方は、日本全国どこでも対応可能な採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社へご相談ください。

⇒ 詳しくは山梨労働局のWEBサイトへ

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