2026年7月2日
労務・人事ニュース
2026年6月に洋上風力公募制度を改訂、秋田県と千葉県沖3海域の開発中止を受け事業実現性を重視へ
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「一般海域における占用公募制度の運用指針」を改訂しました(経産省)
経済産業省と国土交通省は2026年6月5日、洋上風力発電事業者を選定する公募制度の見直しを行い、「一般海域における占用公募制度の運用指針」を改訂したと発表しました。今回の改訂は、洋上風力発電に関する大規模な電源投資を着実に実現し、事業の途中撤退を防ぐことを目的としています。
洋上風力発電は、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた重要な電源の1つとして位置付けられています。一般海域における事業実施には、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に関する法律に基づき、公募によって事業者を選定する仕組みが採用されています。
今回の制度見直しの背景には、秋田県沖および千葉県沖の3海域で進められていた洋上風力発電事業において、選定された事業者が開発中止を決定したことがあります。この事態を受けて関係機関による合同会議で要因分析が行われた結果、これまでの公募時点では十分に顕在化していなかった事業環境上の課題が明らかになりました。
分析では、洋上風力発電を取り巻く環境が大きく変化していることが確認されました。こうした状況を踏まえ、事業の実現可能性をより重視する制度へと見直しを進めるため、2025年9月から複数回にわたり有識者を交えた議論が実施されました。
さらに、2026年1月22日から2月22日までの期間にパブリックコメントが実施され、寄せられた意見も踏まえながら最終的な改訂内容が取りまとめられました。
改訂された運用指針では、まず想定供給価格幅を設定する考え方が導入されました。これにより、価格競争だけではなく、事業を継続的かつ安定的に実施できる計画であるかどうかを総合的に評価しやすくなります。
また、公募審査における事業実現性評価点の配点についても見直しが行われました。事業を確実に完遂できる能力や計画内容をより重視する方向へ評価基準が変更されています。
加えて、事業実現性の採点方法についても精緻化が図られました。これにより、資金計画や開発計画などの内容をより詳細に確認しながら評価を行うことが可能となります。
一方で、これまで重視されていた事業の迅速性については配点が引き下げられました。その代わりにスケジュールの柔軟性を確保する考え方が取り入れられています。事業開始の早さだけを競うのではなく、実現性を伴った計画を評価する仕組みへと転換が進められます。
今回の改訂では、公募制度全体の方向性が示された一方で、落札制限や選定事業者が撤退した場合の対応ルールなどの具体的な内容については、今後それぞれの海域ごとに策定される公募占用指針の中で定められる予定です。
洋上風力発電は、エネルギー安定供給や脱炭素化の推進に向けた重要な分野として期待が高まっています。その一方で、長期間にわたる開発や巨額の投資を伴うことから、事業の継続性や実現性をいかに確保するかが大きな課題となっています。
今回の運用指針改訂は、単に事業者を選定するだけではなく、選定後の事業完遂まで見据えた制度設計へと見直しを進めるものです。秋田県や千葉県沖で発生した開発中止事例を踏まえながら、今後の洋上風力発電の導入拡大と安定的な事業運営の両立を目指す取り組みとして注目されています。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ


