2026年8月31日
労務・人事ニュース
2026年7月北海道の求人動向、有効求人倍率0.71倍で11か月連続低下も人材需要は継続
景気ウォッチャー調査(令和8年7月調査)― 北海道(現状)―(内閣府)
2026年7月調査の北海道地域の景気動向では、観光需要やインバウンド消費の回復、夏季イベントによる集客効果などを背景に、一部の消費関連分野で改善の動きが確認されました。
土産品を扱う小売店では、旅行客の来店が好調に推移し、生活用品の値上げが続く中でも観光客の購買意欲は一定程度維持されています。一方で、客単価には大きな伸びがみられず、消費行動には慎重さも残っています。
飲食分野では、地域で開催されたイベントの影響により来客数が増加しました。高級レストランでは、海外からの団体旅行客の増加もあり、インバウンド需要が売上を支える要因となっています。
商店街では、前年のような猛暑ではなかったことから外出しやすい環境となり、観光客を含めた来街者が増加しました。百貨店でも富裕層や訪日客による購買が好調で、高額商品の販売が伸びています。
一方で、国内消費については物価上昇の影響が続いています。生活必需品の値上げにより節約意識が高まっており、国内客の購買では商品選択を慎重に行う傾向が確認されています。
自動車販売では、新型車の発売効果によって受注が好調に推移しました。前年末に発売された車種についても関心が高まり、来店数の増加に伴って販売量が改善する動きがみられています。
観光関連では、夏休みに向けた予約が徐々に増加しています。価格上昇の影響が落ち着きをみせたことで、国内外からの旅行需要が回復し、観光型ホテルなどでは利用客の増加が期待されています。
企業活動では、業種による違いが広がっています。金属製品製造業では人口減少による住宅着工数の減少が影響し、景況感の弱さがみられる一方、観光関連では需要回復による動きが続いています。
雇用環境では、人材派遣分野で企業の採用意欲が活発化しています。選考基準は高まっているものの、これまで人材サービスを利用していなかった企業からの依頼も増えており、人材確保への関心が高まっています。
人材派遣会社によると、7月は例年需要が落ち込む時期であるものの、求人数は前年と同じ水準を維持しました。企業側では必要な人材を確保するため、採用活動を継続している状況です。
一方で、求人情報分野では正社員求人数の減少傾向が続いています。特に建設業や運輸業では求人が減少しており、応募者不足や希望する人材が集まらないことを理由に採用を控える企業もあります。
北海道の有効求人倍率は、2026年6月時点で0.71倍となりました。前年から0.07ポイント低下し、11か月連続で前年を下回っています。新規求人数も前年を下回って推移しています。
ただし、求人数の減少については、景気悪化だけが要因ではなく、企業の採用姿勢や経済環境への慎重な対応も影響しています。人手不足感が強い産業では、採用を大きく抑える動きは確認されていません。
求職者の動きにも変化が出ています。新規求職者数は前年よりやや減少していますが、離職後ではなく在職中に転職活動を行う人が増えており、安定した働き方や条件を比較しながら仕事を探す傾向が強まっています。
企業の採用担当者にとっては、求人倍率や応募数だけでなく、求職者が重視する条件を把握することが重要になっています。仕事内容や職場環境、将来性を分かりやすく伝える採用活動が求められています。
今回の調査では、観光やインバウンド需要が北海道経済を支える一方、正社員求人の減少や採用難といった課題も明らかになりました。企業は景気動向を見極めながら、必要な人材を確保する取り組みを進める必要があります。
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


